こんにちは!
シアタールーム202管理人のLyryです!
今回は、「インセプション」や「TENET」を生み出した脳みそどうなってるんだ人間、クリストファーノーラン監督の
「MEMENTO」
久しぶりに見てやっぱすげーなとなったので改めて僕なりのネタバレなし解説、その後にネタバレあり感想を書いていきたいなと思います。まだ見てない方や、よくわかんなくて離脱した方も
「MEMENTO」を楽しめますように。
「MEMENTO」あらすじ
保険会社の調査員をしていたレナード(ガイ・ピアース)は、ある日強盗に襲われて妻を失ったうえ、犯人との格闘で頭部を損傷し、10分間しか記憶を保てない前向性健忘症を患ってしまう。復讐の鬼と化したレナードは、体中にタトゥーを彫って記憶を刻みながら、犯人探しを始める。果たして彼は犯人の正体を暴くことができるのだろうか?
ネタバレなし解説
さて、ここからは一回見ただけではよくわからない本作の感想を書いていきたいと思います。
映画冒頭、倒れている男を写した写真がだんだんと色褪せていき、一人の男が持っていたポロライドカメラがその写真を取り入れフラッシュが光り右手に戻ってきた拳銃で、、、。
この作品は主人公であるレナードが前向性健忘症という障害を抱えて妻を殺害した犯人を捜し復讐に燃えるという作品です。
そして最大の特徴としてカラーで逆行に進んでいく物語と、モノクロで順行する物語の二つを交互に見せられるような形で、MEMENTOという作品は完結という名の起点に向かっていきます。
改めて言葉にすると難しい内容だなと思います。ということで、僕なりのもの作ってきました。
カラー、モノクロパート数を少し端折っているのですが大体この形です。
実際の時間は①、②、③、、、⑭、⑮、⑯という流れですが。
映画本編では⑯、①、⑮、②、⑭、、、、⑦、⑨、⑧という進み方をします。
これがこの映画を難解にしている最大の要因です。
そう、この映画は、クライマックスである⑯部分から始まります。先ほどのあらすじに当てはめると、主人公のレナードが犯人を拳銃で撃ち殺し、復讐完了したところから始まります。
「おいおい、なんだよ!オチ分かってるのに何がおもれぇんだよ!」となる方
落ち着いてください。まだ説明は続きます。
先述した通り、主人公は前向性健忘症と言う障害を患っており、10分間ほどしか起きた事を覚えられないという体です。なので⑯の後のモノクロパート①ではその前(10分間)の記憶がないので、あるモーテルでふと「ここはどこだ。」となるシーンから始まります。
そして⑮、②、⑭、③とカラーは時間を遡るように、モノクロは時間のままに流れていきます。
基本的に、カラーパートでは冒頭で死んでいた犯人を「なぜ犯人と思ったのか」から始まり「他の協力者との出会い」などが次々に描かれていきます。
面白いところは視聴者はレナードと同じ時間の記憶しか保てないという状況になります。
つまりカラーパートは図であるように⑯を見て⑮、⑭という順で見せられます。⑯を見ている時は当然⑮で何が起きていたのか分かりません。
そう、レナードと同じふと、過去10分間の記憶を忘れた状態なのです。
レナードは完璧に自分の症状を理解、克服し、起きたことをメモに書き留め、確実に犯人に近づいていきます。
段々と不穏な動きを見せる登場人物。メモが本当の事実かもわからない状態で振り回されます。
しかし、亡くなった妻のため、犯人を捕まえるために、日々起きたことを書き留め、無くなっていく記憶を繋ぎ止め、犯人の憎しみを忘れないように体にタトゥーを刻み復讐の炎を燃やし続ける男の物語。
では、ありません。
Amazonプライムで配信しているので、見ていない方、意味わからなすぎて離脱した方も是非。
ネタバレ解説
ここからは、僕が思う解説していきたいと思います。
恨むべきジョン・Gを当時、事件の担当でもあったテディと協力し、復讐を果たしたレナード。
しかし、彼は事件の後遺症で復讐したこと自体を忘れ、死んだはずのジョン・Gを探し始めるというのがこの「MEMENTO」というお話しです。
レナードは犯人に妻を殺されたと思っているが、実際は殺されておらず、レイプされ殺されかけたというところでレナードが二人いた犯人の内一人を銃撃、もう一人に頭を強く打たれたがなんとか退けることに成功します。
がしかし、妻はレイプされ心に傷を負い、10分しか記憶を保てなくなった夫が残り、苦悩します。
今のレナードがメモを取るようになったのは妻のおかげです。しかしレナードは自分が前向性健忘症になっていることもわからず呑気に過ごすのですがそれに耐えられなくり本当は夫が嘘をついているのではないかと思い夫を試し、命を落とします。悲しいですね。
そう、レナードが何度も話していた「サミー」は記憶をなくしたばかりの頃の自分のことでした。
妻の行動ではあるのですが、愛する人を失ったレナードはそのことをもちろん忘れ、いつしかあの時(強盗に入られた時)に妻は殺されたんだと思い、復讐を決めます。しかし向ける矛先がない状態でテディに良いように使われていきます。
テディの目的
満面の顔で放たれる「レニー」が僕は好きです。
テディはレナード自宅の強盗事件の担当刑事で物語の冒頭からレナードと行動を共にしている人物でレナードのジョン・G探しを手伝っています。本当は利用し、自分にとって都合のいい相手をジョン・Gに仕立て上げレナードに殺させて金を得てます。
モノクロパートでジョン・Gに仕立て上げられたナタリーの恋人のジミーがそうですね。
ナタリーの目的
ジミーを殺害後に自分のポッケに入っていたとジミー宛のメモを自分のものだと思い、彼女が働いているバーに行き彼女との出会いを果たします。レナードの記憶事情を知り麻薬密売人のジミー、その連絡係であったナタリーはドッドという人物に以前から麻薬関係でお金を狙われていました。なのでジミーと同じ服装、車のレナードをジミーと勘違いし襲います。返り討ちにしますが。これもナタリーがそう仕向けたことです。
そして、ナタリーはジミーを呼び出した刑事でもあるテディも邪魔なのでレナードを使ってテディを殺そうとします。
まとめ
結果的にナタリーの思惑でテディが殺されたかと思いきや、いつしか妻のための復讐ではなく、自分の生きがいのための復讐になっていたレナードが映画終盤で自分自身を利用しテディを殺したことが判明します。
真実をいつまでも受け入れられずに忘れる彼はいつまでも自分ではないサミーという人物を作り上げ、体に刻まれた憎しみのジョン・Gに囚われ続けることになります。
ネタバレ感想
このMEMENTOについて書こう!と書き始めてから随分時間が経ってしまいました。
というのも書いているうちに書きたいことはどんどん出るのですがまとめきれずに添削ばかりをやっていました。そして肝心な時に、あれ、あのシーンなんだっけと確認のため本編を見返す。という繰り返しでした。
この作品のすごいところは、難解すぎる。という所もそうなのですが、登場人物の発言とか結構好きなものも多くて、レナードの
「記憶は部屋の広さ、車の色も間違える。記憶は思い込み、記録ではない」
という発言は初めてみた時に、流石10分しか記憶がない男!と、すごい説得力があったのですが、、2周目、3周目とみていく内に何の説得力もなくなっていくというのが結構好きな演出?ですね。
他にもテディの
「それは昔の君だ、今の自分は分かってない」という発言です。
僕は心当たりがありました。
小学校の時、運動会で生徒と対抗でお父さんチームも混じってのリレーで誰かのお父さんがこける姿です。
つまり若い時と同じ感覚で走っているつもりでも、体は自分が思っている以上に衰えいるので足が絡まりこける。テディが言った発言は多分こういうことです。。。ちょっと違いますね。
まぁとにかくこの作品は短期間で二回以上の視聴をお勧めします。人間の記憶は本当に当てにならないので忘れないうちに畳み掛けましょう。
ちなみに、最後のシーンだけにしかないタトゥーがあります。
「I’VE DONE IT」「やり遂げた」
記録として書いているこの記事も僕の記憶を書いているので、正しいとは限りません。
真実を知りたい方はノーラン監督に電話して聞くのが1番です。
すごい長くなってしまいました。ここまで読んでくださった方ありがとうございます!!
では今回はこの辺で。。。おわりっ!!
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